気管支喘息
気管支喘息はアレルギーやウィルス感染など、様々な原因で気管支の炎症が慢性化し、気道が狭くなることで起こる慢性的な咳などの発作を指します。一般的に「喘息」と呼ばれている病気です。
気管支喘息の原因
気管支に炎症がおきている為と言えます。
炎症とは火傷が気管支でおきているものです。火傷箇所がちょっとした刺激でも痛く感じるように、喘息も気管支に炎症がある為、ちょっとした刺激でも反応し気管支が細くなってしまします。
息苦しさや咳が出ることを発作と呼び、ちょっとした刺激として多いものに風邪があります。風邪が治っても咳だけが長く残る、気管支が弱くて風邪を引きやすいなど、その場合には喘息である可能性があります。その刺激として、空気の温度差、乾燥、煙、におい、化学薬品、カビなどが挙げられます。
肺気腫
肺自体が少しずつパッチ状に無くなっていき、多数の小さな空洞が肺内に生じてしまいます。
特にタバコと因果関係が強く、ほとんどの方が喫煙者か家族内に喫煙者がいらっしゃる方です。タバコによる肺障害を引き起こす程度は個人間で大きな差があり、遺伝的な要因も強いです。
また、肺は一旦潰れてしまうと再生はされず、どんどん肺の損失が起こってくる為に最初は労作時に息切れから、そして徐々に安静時でも息切れが起こるようになり、酸素吸入が必要になってきます。
治療は何よりも、禁煙で進行が遅くなる事が知られています。次に吸入などの気管支拡張薬で呼吸器リハビリも有効ですが進行すると、どうしても酸素が手放せなくなり日常生活に大きな制限が起こります。
胸水
胸水の原因は様々です。心不全や腎不全などで起こる漏出性胸水と肺癌や結核、肺炎などによる炎症が中心の滲出性胸水に大きく分類されます。
診断の為にはレントゲンやエコーを使って、胸水を少量採取し検査を行います。検査は局所麻酔で行い、約10分程度で終了します。検査に数日を要しますが、多くはどのような原因で溜まっているのか判明し、原因疾患に応じた治療を開始いたします。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病と言えます。
原因
最大の原因は喫煙であり、喫煙者の15~20%がCOPDを発症します。タバコの煙を吸入することで肺の中の気管支に炎症がおきて、咳や痰が出たりと気管支が細くなることによって空気の流れが低下します。また、気管支が枝分かれした奥にある肺胞(はいほう)が破壊されて、肺気腫という状態になると、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下します。
症状
歩行時や階段昇降など、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や慢性の咳や痰が特徴的な症状です。喘鳴や発作性呼吸困難など喘息の様な症状を合併する場合もあります。
治療
喫煙を続けると呼吸機能の悪化が加速してしまいますので、禁煙が治療の基本となります。増悪をさけるためには、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が勧められます。薬物療法の中心は、効果や副作用の面から吸入薬が推奨されています。気流閉塞が重症で増悪を繰り返す場合は、吸入ステロイド薬を使用します。
非薬物療法では呼吸リハビリテーション(口すぼめ呼吸や腹式呼吸などの呼吸訓練・運動療法・栄養療法など)が中心となります。低酸素血症が進行してしまった場合には在宅酸素療法が導入されます。さらに呼吸不全が進行した場合は、小型の人工呼吸器とマスクを用いて呼吸を助ける換気補助療法が行われることもあります。症例によっては過膨張した肺を切除する外科手術(肺容量減少術)が検討されることもあります。